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 【研究室訪問】

体育学科 西田 円 准教授

人生において心の支えとなる学生生活にしよう

競技者から競技者をサポートする立場に

 私は4歳から水泳を始め、天理大学水泳部での4年間を含めて18年間水泳を続けてきた。大学4年生の最後のシーズンに中学校時代に出したベスト記録を更新した。その時、初めて競技を続けてきて良かったと思えた。そして、漠然とではあったが、将来は、大学で競技生活を終える学生たちが、「ここまでやってきて良かった」と思い卒業できるようなサポートをする職に就きたいと思った。
 
 当時は今のように競技者の心理サポートなどの情報はほとんどなかった。それでも、私は天理大学で競技者のサポートをしたいという強い思いを抱き、大学院への進学を決めた。大学院では助手も含めて約10年間、研究をしながら、オリンピック選手の心理サポートプロジェクトや実業団チーム、大学運動部のメンタルサポートにかかわってきた。その後、天理大学に戻り勤めている。
 

経験と理論を結びつける

 現在、私は「競技者の無力感とその回復プロセスの解明」というテーマで研究をしている。大学院生の頃に「学習性無力感」について書かれた論文を読んだ。「学習性無力感」とは、いくら努力をしても、その努力と結果が結びつかないという経験を繰り返すと、無気力な状態に陥るという理論。私が専門とする水泳は記録種目なので、一生懸命に練習しても記録が更新できない状況が続くと、努力しても記録が伸びないと思い、無気力な状態のまま練習を続けるということがある。この状況に「学習性無力感」の理論が合致した。実践の場で生じている問題が、理論として説明されていることに衝撃を覚えた。
 
 大学院生の時には、無力感状態に陥る人と陥らない人とは何が違うのかを研究した。今はどのようにして無力感から回復し、競技生活に戻れたかというプロセスの研究をしている。
 

競技者であるからこそ積極的な学びを

 授業やクラブ活動などを通して感じる天理大学生たちは、素直で真摯、素朴であり、昔から変わらず良いところだ。天理の雰囲気がそうさせるのかもしれない。
 
 今の学生たちに期待したいことは、もっと主体的、能動的に学ぶことである。「自ら」そして「互いに」学びを深めてほしい。競技者という立場に重点を置き、その競技を頑張ればそれで良いと考えている学生も残念ながらいる。授業の中には、パフォーマンス向上に生かせるヒントや競技者だからこそ学んでほしいこともある。また、学んだことを卒業後のキャリアにもつなげてほしい。自分が競技者であることを理由に大学で学ぶ機会を逃さないでほしい。
 

人生の心の支えとなる学生生活にしよう

 私は、天理大学で過ごした4年間があるから今の自分があると思っている。記録が伸びず苦しい日々も多かったが、順調ではなかったからこそ、どうすればよいのか、その答えを求めて多くの事を学ぶことができた。
 
 大学での4年間の過ごし方は、それぞれの人生に大きな影響を与えると思う。大学生だからこそ与えられる機会を生かし、有意義な時間を過ごしてほしい。ぜひ、人生において心の支えとなるような学生生活を送ってもらいたい。
  

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