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 【研究室訪問】

国際学部 地域文化学科 森下三郎 教授

天理大学で学んで良かったと思えるように

儀礼研究

 2000年に天理大学宗教学科に着任し、2010年から地域文化学科に移り教壇に立っている。専門分野は諸宗教研究。特に儀礼に関心を持って研究している。具体的には、儀礼とその儀礼を執り行なう社会的環境との関係性、儀礼の行為者と観察者の係わり、儀礼の象徴的な意味や文化的な価値などである。
 

儀礼研究のきっかけは天理教の「おつとめ」

 私は、アメリカの天理教の教会に生まれ育った。天理大学の教員になる前は天理教海外部で勤務していたが、そのときにイタリア・ローマに留学する機会に恵まれた。留学中、宗教を学術的に研究するために、ある神父から宗教人類学という分野を紹介され指導を受けた。その神父との出会いが人生の一つの転換となり、宗教人類学的に物事を考えるようになった。
 儀礼研究の最初のきっかけは、幼いころから行っている天理教の「おつとめ」である。天理教の信仰者にとって「おつとめ」は不可欠なもので、世界各地でつとめられている。しかし、「おつとめ」をつとめるだけではなく、世界中の言語でうまく説明しなければならないと、天理教の布教師である父の背中を見て感じた。天理教を知らない多くの方々に、天理教の「おつとめ」を客観的かつ中立的な表現で語るために、宗教人類学を通じて儀礼研究を始めた。
 
 

機会に応じて研究を深める

 大学の公開行事の機会に応じて研究内容も深めている。例えば2006年、2010年、2014年の3回開催された「天理大学・マールブルク大学共同研究プロジェクト」では、「『場違いのもの』—清めるという視点から—」(2006)、「祈りと行為(エージェンシー)」(2010)、「儀礼行為の置き換える信心」(2014)という題目で儀礼論を考察し、発表する機会を与えられた。そして、第1回目と第3回目のすべての研究発表を英語で編集し、出版物を通じて天理大学の宗教研究の高い学術力を世界に紹介する作業にも深く携わった。

 

天理大学で学んで良かったと思えるように

 海外に行く機会が少なく、アメリカから遠く離れている学生たちに、アメリカ社会やその地域の流行についての知識や、それらの背景を理解できるように授業を行っている。日本の大学でアメリカス研究コースがあるのは、唯一天理大学だけである。その卒業生として、毎日のように報道されるアメリカの事柄に対して自分の見解がはっきりと言え、同僚から問われたときにすぐに答えられるようになってもらいたい。
 学生たちが、在学中も卒業後も天理大学で学んで良かったと思えるようにすることを、いつも心掛けている。それがわれわれ教職員の仕事だと思う。
 
 

悔いのない大学生活を

 天大生はとてもまじめで、本当におとなしいと感じている。しかし、大学での4年間は、積極的にいろいろなことにチャレンジし、成功や失敗をして経験を積んで、自分の力になるものを得てほしい。なぜならば、天理大学は数え切れない可能性が開かれる場所だからだ。併せて、専門の学問をしっかりと学び、深めてほしい。それが何につながるかは、学生のときには分からないかもしれない。しかし、長い人生では喜びも悲しみもある中で、大学で積み重ねた学問や経験、出会った友人との絆はきっと役立つと思う。それだけ在学中の一日一日は、人生の基礎を固めるための貴重な時間である。
 ぜひ、悔いのない満ち足りた大学生活を過ごしてほしい。
 

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