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 【韓国・朝鮮語専攻】

新入生・在校生への教員メッセージ① 韓国・朝鮮語専攻 熊木 勉 教授

新入生の皆さんへ

ご入学おめでとうございます。せっかくの入学の時期に大学にすぐに通うこともできず、自由に活動することもできないことは、とてももどかしく、焦りのようなものもあるかと思います。しかし、自然や世の動きは常に私たちとともにあります。今はとにかく健康に気をつけること。そして変わることのない「時間」というものを見ながら、皆さんなりに、今自分でできることに取り組んでくださることを願っています。今、吸収したものはいずれ必ず自らの素養として役に立つはずです。もちろん、私たち教員も皆さんの期待に応えるべく、最大限の努力をします。

はじめてハングルから学ぶ人、あるいは、ある程度すでに独学で韓国・朝鮮語を勉強したという人もいらっしゃることでしょう。言葉の学習については、私たちは授業の中でできるだけしっかりと教えていきますので、そのことは心配しないでください。今は、自分が学びたい韓国・朝鮮のことについて、色々な情報に接してみてはいかがでしょうか。それも、今まで皆さんが関心をもって接してきた対象ではなく、ちょっと違った分野に目を向けて、知識を蓄積してみるのはどうでしょう。韓国・朝鮮の歴史、社会、文学、言語、いろいろな側面からアプローチが可能です。
ソウル・清渓川
ソウル・清渓川
ソウルの街角で(庶民的な粉食店)
ソウルの街角で(庶民的な粉食店)
私は教室で皆さんと会うときには、会話科目でお目にかかる予定です。え、そんなことまで知っているの、と私をびっくりさせてください。楽しみにしています。ただ、世の中にはいろいろと偏った書籍や情報もあります。あまり時流や不正確な言説に流されることのないように気を付けてください。また日本語力も大事です。まずは本を読んでみましょう。このサイトでいろいろな先生方が紹介されているような本は、韓国・朝鮮に関係せずとも、面白そうだ、と思えば読んでみることをお薦めします。

2年生の皆さんへ

2年生の皆さんは、きっと、語学の勉強において、自分が苦手としている部分、もう少しきちんと理解しないといけないという部分、それらをそれぞれが自分なりに把握していらっしゃるものと思います。大学の授業が教室で始まるまで、まずは自分の語学力を一歩高める努力をしてみましょう。そのための材料はいくらでもあると思います。何より韓国・朝鮮語は外国語ですから、外国語を外国語として、そのままに言葉のニュアンスを身につける努力をしていきましょう。本当の「語彙力」を身につけましょう。

そして、語学の一方で自分の深めたい何か、極めてみたい何かを見つけて、それに熱中してみてください。最近は韓国文学の翻訳も多くなってきました。そういうものを積極的に読んでみるのもいいと思います。

3年生の皆さんへ

大学にいる時間だけが勉強の時間ではありません。ぜひとも毎日、自分が面白いと思えるもの、あるいはそれもうまくつかめないようなら、とにかく手元にある資料、教材等から何かを掘り下げていってみてください。何らかの「気づき」を得る時間を持てるように努力してみて下さい。

私の専門は韓国の近現代詩です。ちょうど皆さんと同じ学年の頃、私は詩ばかり読んでいました。大好きだったのは吉本隆明でした。彼の評論と詩をひたすらよく理解しきれないなりにも読んで刺激を受けていたように思います。「エリアンの手記と詩」を何度も繰り返し読んでいました。そうやって日本の文学にも親しむ一方で、韓国の詩も読み、小説も読んでいました。ぜひ、いろいろなものを読み、接してみて下さい。皆さんは、とても感受性豊かにそれらを受容することができることでしょう。

4年生の皆さんへ

大学生活最後の学年をこういう状況の中で迎えなければならないことは、とても辛く不安であるものと思います。私も心配しています。今まさに就職のことも意識される頃にあられることと思います。しかし、こういう状況だからこそ、社会に目を向けてみてください。どういう業種でどんな努力をし、どの企業がどんな形でこの新型コロナウィルスに向かい合っているか。そうした視点も将来のために勉強にはなるかもしれません。

一方で、多くの人が苦しみ、家族を喪い、仕事を失う現実に、心を寄せてください。ともすると、その「人間」の姿はなかなか見えず、ただ「恐怖」ばかりが先立つことがあるかもしれません。しかし、そこには多くの哀しみや絶望といったものがあることを、どうか心の中にとどめてください。ただ焦ったり迷ったりするのではなく、こういうときこそ落ち着きを持って、自分の勉強にしっかり取り組まれることを願っています。

皆さんは、自分なりの勉強のテーマ(卒論のテーマ)をすでに決めているはずです。一歩一歩、着実に作業を前進させましょう。大学生活の集大成である卒業論文をきちんと仕上げる準備に入ってください。

全学年の皆さんへ

 以下の本を推薦しておきます。難しい本もあると思いますが、少し背伸びしてでも理解するように努力することは、そのこと自体で、きっと今後の勉強に役に立つと思います。
熊木 勉 (翻訳)『思想の月夜 ほか五篇 (朝鮮近代文学選集)』(平凡社)
熊木 勉 (翻訳)『思想の月夜 ほか五篇 (朝鮮近代文学選集)』(平凡社)
小倉紀蔵『朝鮮思想全史』 (ちくま新書) この本は、思想史の本でもありますが、朝鮮の歴史や文学にも触れられており、人々の考え方の根本を知る、一つの手がかりになりそうに思います(ただ、思想関係の部分はかなり難しい内容です)。

四方田犬彦『ソウルの風景—記憶と変貌』(岩波新書)  気軽に読める本ですが、実は内容が充実しています。現代韓国のいろいろな問題点などをあらためて考えるきっかけを提供してくれるかもしれません。絶版かと思いますが、古本で買えます。

大村益夫、長璋吉他『朝鮮短篇小説選〈上〉(下)』(岩波文庫) 私が考えるに、日本でもっともすぐれた朝鮮文学短編集です。私がずっと手元に置いている本の一つです。これも絶版かと思いますが、古本で入手することは難しくないと思います。

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