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 【生涯学習】

《公開講座記録》【人間学で読み解く現代社会】第2回 「わたし」を好きになるための心理学

第2回
●2022年6月4日(土) 午後1:30
●テーマ:「わたし」を好きになるための心理学
●講師  仲  淳(総合教育研究センター 教授)

内容

『「わたし」を好きになるための心理学』と題して、公開講座を行いました。

まずセルフハンドマッサージや深呼吸のワークを行って、リラックスしていただき、次に心理療法やカウンセリングで目指す「自己肯定感」について解説を行いました。

「自己肯定感」というと、「わたしって、最高!」とか「最強で無敵のメンタル!」というすごくポジティブなイメージでとらえてしまいがちですが、カウンセリングや心理療法で目指す「自己肯定感」は、『自分の「弱さ」や「傷つきやすさ」、「足りなさ」なども認めながら、ふんわりと自分を肯定して、好きでいられる気持ち』であり、『いろいろな面のある自分をそのままに認めて、その自分を好きだと思える気持ち』であることをお伝えしました。

そして、そもそも「わたし」というものは、生まれつきの素質と経験(環境)との掛け算によって形成されてくるものであり、『わたし = 素質 × 経験(環境)』という式で表わされうることをお伝えし、わたしたちはいろいろな経験をして、その影響を受ける中で、自分のことを勝手にさまざまに思い込んで、偏ってとらえてしまっている可能性があることについて説明しました。

そして、もし偏ることなく「自分」の素質というものを見つめることができるならば、わたしたち一人一人は、それぞれが『かけがえのない一つの生命(いのち)』なのであり、それぞれがすばらしい可能性を持った、尊い存在なのだと考えられることをお伝えし、それぞれの人が自分の可能性を花開かせて生きていくことが大切なことなのであり、その生きる道のことを、ユングは『自己実現(個性化)』の道と呼んでいることを説明しました。

また後半は、まず参加者のみなさんに「自分のいいところ」を5個、「自分の欠点だと思うところ」を3個あげていただき、ご自身の自己イメージについて、振り返ってみていただきました。そして次に、「自分の欠点だと思うところ」をひっくり返して、「いいところ」として見つめ直すワークを行っていただき、自分ではよくないと思っているところも、とらえ方が変わると、生かすべき「長所」に変わりうることを理解していただきました。

そしてその次に、「エニアグラム」の9タイプが分かる簡易式心理テストをしていただき、みなさん自身のタイプについて、気づいていただく時間を持ちました。

その次に行ったのは、わたしたちが日々、知らないうちにとらわれてしまっていて、自分の生き方を狭め、生きづらくさせてしまっている、「○○せねば・・・」「△△であらねば・・・」という「ねばねば思考」に気づいて、それを解除してみる、というワークでした。たとえば、「男子たるもの、強くあらねば」という「ねばねば思考」は、「男性にも感情があって、辛いことも悲しいこともあるし、涙が出てくることもある。大切なのは、強さよりも思いやりではないか?」というふうに、古いステレオタイプ的な考え方を、柔軟に修正していくことで、心理的な縛りから解放されて、本来の自分を生きやすくなることをお伝えしました。

そして、そもそもの「自己肯定感」というものが育まれる原点について、幼少期からの経験とまわりの環境の重要性を指摘しながら解説を行い、「わたし」を好きになって生きるためには、過去の辛かった思いや悲しかった気持ちを吐き出して、だれかに共感的に受け止めてもらう必要があることをお伝えしました。過去の傷つき体験から心理的に解放されることで、人は「自分自身を存分に生きる自由」と「健全に自分を好きになり、愛する気持ち」を持つことができるようになるからです。

最後にまとめとして、人は過去の心の傷を癒し、いろいろなとらわれから抜け出して、等身大の自分を存分に生きることができるようになれば、「わたし」を好きになって、しあわせになる道が開けてきます、ということをお伝えして、講座を終了しました。

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