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 【国文学国語学科】

記紀万葉の故地踏査をおこないました 吉野篇

記紀万葉の故地踏査をおこないました 吉野篇

2023年5月3日、上代文学・国語学で卒業論文を作成する学生有志と教員2名とで、吉野を踏査しました。

吉野という土地は、飛鳥・奈良時代では特別な場所と考えられていました。天皇たちはこぞって吉野に行幸し、『万葉集』や『懐風藻』には行幸につき従った歌人たちが多くの詩歌を残しています。中でも、飛鳥時代の持統天皇は即位してから31回も吉野に行幸したことで有名です。
今回の踏査は、持統天皇はなぜ足しげく吉野に通ったのか、なぜ歌人たちは多くの歌を詠んだのか、その謎を考える旅でした。
古代の天皇が行幸する際に使用した離宮跡「宮滝遺跡」
宮滝遺跡は、近年の調査で奈良時代前半の遺構が確認されています(ちょうど、万葉歌人の大伴旅人や山部赤人たちが活躍していた時代です)。はじめに吉野離宮と発掘調査の成果について教員が解説し、次に吉野行幸時に詠まれた歌について、学生が各自で調べてきたことを解説しました。どのような場所に、どのような規模で建設された離宮だったのか。現地の風景を眺めながら、吉野行幸の歌について考えました。
吉野離宮からほど近い吉野川の名所「夢のわだ」
大伴旅人が大宰府の長官として九州に赴任した後、奈良への強い望郷の思いを詠んだ歌群に、吉野の風景が詠まれています。旅人は聖武天皇の吉野行幸に同行しており、愛する故郷の思い出として吉野の風景を思い浮かべたようです。
旅人は吉野のどこに愛着を持っていたのでしょうか?
学生たちが作成したガイドブックをもとに解説を聞き、質問しあいました
この日は天気が良く暑かったので、涼しげな木陰の合間を流れる象川のせせらぎにみんなで癒やされました。旅人の歌について調べたYくんは、「旅人が象川を好きだった理由がわかった気がした」と言っていました。
喜佐谷川沿い(かつての「象(きさ)の小川」)にある桜木神社に立ち寄りました
参加した学生からは、「昔から変わらない吉野の山川の風景を実際に見たことで、歌の情景が思い浮かんだ」「古代の人びとが見ていたであろう景色を見ながら歌について考えることができて楽しかった」などの声が聞かれました。

教室で学ぶことだけが文学のすべてではありません。奈良県には上代文学にゆかりのある土地がたくさんあります。教員や仲間と一緒に現場に行って、奈良にゆかりのある文学について考えてみませんか?

天理大学ではその立地を活かした課外学習もおこなっています。

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