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 【研究室訪問】

国文学国語学科 北川扶生子教授

積極的なチャレンジから、違う世界が見えてくる

外から日本を見る

 大学入学時は、卒業したら就職するつもりだったが、もっと研究したいという気持ちが強くなり、大学院に進学した。夏目漱石の作品の文体や物語の型の変化と、勃興期にあった近代日本のメディアや読者の関係について考察した博士論文を書き、著書にまとめた。博士論文をまとめる途中、イギリスで研究する機会があった。さまざまな国から来た移民の人たちと知り合ったことがきっかけで、移民の文学に関心が広がった。
 
 日本も多くの移民を海外に送り出してきた。彼らが国外で日本語で書き残した文学作品は、あまり知られていないが、非常に面白い。漱石は国民的作家で、日系移民の書き手たちはほとんど無名。かけ離れているように見えるかもしれないが、欧米がお手本という見方が支配的だった時代に、外から日本を見る眼を持ちながら、日本語で考え書いたという点で、土台を共有している。
 

物語の力

 今、国と国の境目はどんどんあいまいになり、人も物も情報も、国境を越えて移動している。一方で、その反動も起こっている。異なる文化に出自を持つ人たち同士がどう理解し合うかは、今後さらに身近な問題になる。そのとき、国境を越えて生きた人たちが、何を考えていたのかを知ることは、大きなヒントになると思う。
 
 ある地域の文化の歴史が、異なる文化の歴史と出会うときにどんなことが起こるのか、新しい意識が生まれるときに、ある言語や、その言語が育んできた物語はどんな力を持つのか、興味は尽きない。
 

自分に引きつけて考えてみよう

 天理大学は、在学中に飛躍的に伸びる学生も多く、卒論のレベルも高い。知識を詰め込むだけではなく、自分のこととして考えてみてほしいといつも思っている。
 
 私も体験があるが、定期試験前にたくさん暗記して、試験が終わると忘れてしまうような勉強ではなく、卒業後のいろいろな人生の場面で役立つ、ものの見方や発想の引き出しのひとつになるような勉強が良いと思う。そのためには一度立ち止まって、自分ならどうだろうと、自分に引きつけて、主体的に受け止めて考えてみてほしい。
 

自分を変え、大きく伸びる場所に

  天理大学には、コミュニケーション力の高い学生が多いと感じる。学科会などの学生主体の組織がたくさんあり、自主的に、お互いを思いやりながら活動している。このような力は、テストの成績や偏差値では表すことはできないが、とても大事なことだと思う。
 
 大学の過ごし方は人それぞれだが、漫然と4年間を過ごすのはあまりにもったいない。これから人生を切り拓いていく時期なので、積極的なチャレンジから、違う世界が見えてくると思う。どんな分野でも構わないので、人生のステップになるような何かを大学でつかんでもらいたい。大学を、自分を変える、大きく伸びる場所にしてほしい。

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